対岸/ロカニクス
空が横倒しになり
星が包まれるとき
そのとき私は
包丁を刻み
煉瓦で川をつくり
小麦で塔を建てるでしょう
そしてできた塔にお客をお招きし
窓際にテーブルを置いて
楽しく喧嘩するでしょう
喧嘩の内容は
原子核のこととか三日月のこととかで
誰もサテライトには触れないでしょう
壁紙の模様も考えてあります
与えられた数字の分だけ
踊り続ける模様にします
歌の歌い方なら覚えています
決して泣かないよう注意しながら
ゆがんだ顔で声を聞きます
夜のパーティーも上手くいきます
紐という紐を結び合わせて
洞窟を無視します
これからの生き方なら知っています
お客と蝶の真似事をして
人を殺す幻覚にひたります
これからのその先は知りません
私が描いているのは
私に返還されるものについてであって
それ以外ではありませんから
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