開聞岳/ひろっち
 


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温泉に浸かる。
赤錆色のしょっぱい湯だ。
目の前はシナの海、

闇夜の、
雨の露天風呂の、浄化する赤錆の中の、
染入る傷口の会話。

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いつか、
いつか、

いつか、

まっさおな風が吹いた、
まっさおな風がいつか吹いて、

 (展望台に立って、
        僕らは、
          そして僕は、
            意味もなく、吠えてみた)


風が吹いた。

いつかそんな風が吹いた。

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