スライド(抄) 5/
よ
まえを呼ばない
(呼ばないのではなく)
だれも
((呼ばれるべき彼女も))
少女のほんとうのなまえを
知らなかったから)
それでも
生きようとしていた
さようならが
いつか
少女の耳元で囁かれた時も
たしかに
生きようと
うまれようと
うまれる
うまれ
る
少女の 夜明け
始まりとも終わりともつかない
声をあげる
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(11)