す/ぽえむ君
 
意味はと聞かれても
答えられないけれど
「す」という響きは
なんだか心地よい
心に角が生まれた時
「す」という音は
角を滑らかにしてくれる
「ふう」というため息よりも
言い始めに肩があり
言い終わりが抜けてゆく
「す」という一文字では
言葉にはならないけれど
何かを語り
深みを感じさせて
心を黙らせてゆく
同時に何かが始まるような
そんな予感さえもする
理由は今でもわからない
というより
理由を求めなくてもよかろう
そこに心があればよい
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