エッタ/日和
耳あてを忘れていただろう
ほおら
真っ白な耳あてをつけられて うれしそうに跳ねる
ウサギみたいな エッタ
そう
エッタなら真っ白な野ウサギ
きっと野ウサギがよく似合うね
エッタがまた 笑った
新雪のうえ エッタが跳ねる
じゃあわたしウサギさんね
そんなふうに云って 庭をひととおり跳ねる
エッタが跳ねると 金髪が揺れる
雪に透けて きらきら輝く
きらきら
きらきら
きら きら
雪まみれになりながら 跳ねている エッタ
ウサギさん 金色の髪がきれいだね
くるりと振り返って
また笑う 今度はうんうんと頷いて 笑う
エッタ
エッタ
おいで エッタ
雪ですっかり頬が紅潮している
金髪には雪が絡み付いている
両の頬を両手でつつみこんで おかえりと云う
さらさらの金髪が ところどころ濡れている
いっしょうけんめい かぶりを振って雪をはらう エッタ
なんだか お風呂上りのルーシー(注:エッタの友達である犬)みたいだね
そう云うと
あらまあ失礼しちゃうわ
だって私はウサギさんなのよ
声をたてて 笑った
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