苺を求むる/カンチェルスキス
そうです、そうでございます、キャメロンと共に笑うわたしにも福が来たのでございます。余計な支出を抑え、家計にもやさしい、焼きそばラッキー。すなわち、わたしは感じ入ったのでございます。こんなふうに。
「苺を求むるわたしは、すでに苺だ」
というのも、わたしは苺を求むる、苺を求むるわたしは、あぎゃっ、わたしは苺だ。
そんなふうに思ったものですから、わたしは急遽、近畿日本ツーリストにぺパシの自動販売機を探す旅の予約をキャンセルし、緊急のときのための登山靴の購入も見合わせたのでございます。もろもろの出費、苺のお代がかからないと思い至ったときの安心感。わたしはもううなぎのぼりでございました。
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