苺を求むる/カンチェルスキス
 
いたしました。幼少の頃、タコウィンナーを食べて以来、何かひらめくとわたしの二の腕は黒光りするのでございました。
「きっと、ぺパシの自動販売機なら、売ってでございましょう」
 苺が好き、とわたし。わたしは苺が好き。除夜の鐘の音を聞きながら、苺を食べる自分をわたしは想像したのでございました。うっとりと、レバニラ炒めのような陶酔感に包まれ、一瞬ですが恍惚として気絶したのでございますが、背筋を強める感じの練習を繰り返していたのでございますので、わたしは持ち前の身体バランスを駆使して倒れなかった。
 強い子、わたしは強い子、アンダルシア生まれの強い子。
「ぺパシ。あらっ、聞いたことないわね。なに、か
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