私ではない『私』/狗の骨
 
『私』はどこに存在する

視覚を占領しているのはどの私

聴覚、嗅覚、味覚、触覚

どれも、この『私』にはない

でも、『私』には心があった

『私』に五感がないように

他の私には、心がないのだろう

そしてそれは

なんて可哀そうなんだろう

『私』が『私』でよかったと

そう思えた このひと時に安らぎがあった
戻る   Point(2)