明日への不安/
 
毎日 夜道を歩いてて
昨日のことは既に夢に変わってる

死んだ友人のことがいつでも脳裏を過ぎり
明日の我が身を考える


約十年の月日を一人の男に捧げた彼女

彼女が死んで生活には穴が空き
今の私は そこにはまってしまってもよいものかと迷ってる

試しに男と二人で過ごしてみたけど
その間には溜息があった
当たり前のようにあった存在が消え
私たちは物足りなさを感じる


男と二人 写真を見た
そこには 晩年の退廃の薫りを少しも感じさせない穏やかな彼女がいた

私の知らない世界

ぼんやりとそれを眺める私に
一つの丸い視線が向けられた

反射的に表情を作り
穏やかな被写体となった私

その刹那 彼女も今の私と同じように姿をこうして残していったのではないかと思った


このまま時間が流れ
彼女と同じ道を私なりに歩いたら…

この男は寿命を迎えるかもしれない

そのとき私は
そのあと私は



どう生きればいいのだろう




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