光の森/狗の骨
この森は光が差す
世界は途方もなく広がっていて
この森だけに光が
聞くところによると
遠い昔に神様が祝福したみたい
えこひいきだ
光は森の奥に行けば行くほど明度を増す
一番奥はどうなってるんだろう
行った人はいる
でも帰ってこない
だから誰も知らない
いじわるだ
私はどうしても気になって森の奥へと歩みを
同時に風が木の葉を数枚散らす
早足で歩く
明度はどんどん増していく
歩き続ける
もう水晶のような木々に囲まれてる
風が綺麗な音色を奏でる
更に歩を進める
道が見えなくなった
視界は光一色
更に歩みを
でも もう感覚がなかった
風の音も聞こえない
視界が途絶えた
目が壊れたみたい
残る力を振り絞って
私が最後に声にした言葉は
神様は・・・
そして無へ帰した
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