出来損ないの太陽が地上に墜ちてくる惑星にて/楢山孝介
 

フワフワと昇っていった太陽が
正午を待たずにフラフラと墜ちていくと
祖父は老人の特権を振りかざしてぼやく
「昔の太陽はこんなものじゃなかった」とぼやく
かといって、一日中大空に君臨し
見事な夕焼けを残して西の空に太陽が沈んだ日に
それを褒め称えるようなことを祖父はしない
それはちょっとずるいよな、とわたしは思う

「昔の太陽はどんな風だったの?」とわたしは訊く
そう言うと祖父は喜ぶので、何百回と訊いてきた
祖父の話は二言三言で終わることもあれば
宇宙の始まりからの長い長い話をすることもあった
いくら老人とはいえ、そんな昔のことを
どうして知っているのかと訊くと

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