/ki
した男と女でたくさんで、
煙草が行くあてもなく手を伸ばすけれど
どこにも届かないし、
お互い手を取り合いたくても取れやしない、
いつその手が銃口やナイフに変わるか、
傷つきたくない、
だから皆空を見る。
傷ついた自分を知るために空を見て
鳥になりたいと思う。
しかし目に映るのは鳩や烏だ
極楽蝶なんて飛ばない。
雀は可愛らしいが、
やはり雀は雀だ。
羽があるのに何故わざわざアスファルトの味を知らなければならないのだろうか、
昔はよく飛んだものだ
なるだけ高いとこから高いとこからと、
階段を一段二段と駆け上がったものである。
しかし今では足腰も弱ってそんなことしたらハイヒールがぼきりと折れ、
ストッキングがビリビリに破れ
スカートからあられもないものが溢れ出て、
そのほうが楽かもしれない。
コーヒーカップに乗ってみたい。
ぐるぐる回してぼくを飛ばしてよ。
夢見がちなぼくと友達になってよ。
女の子でも男の子でもなんだっていいよ。
空を飛びたい。
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