世紀末[小説]/村木正成
「コーヒーでよかったんだよな」
「あぁ、ありがとう」
「・・・おわかれだ」
「えっ!どうしたんだ。いきなり」
「遠くで星が呼んでいる」
「どうしたんだ?」
「遠くで星が呼んでいるんだ。僕はかえらなくちゃならない」
「どういうこと?」
「僕はとおいとおい星からやって来た、宇宙人なんだ」
「本当に?どうして宇宙に帰らなくちゃならないの?」
「星が呼んでいるんだ。どうしても帰らなくちゃいけない」
「そんな・・・」
「悲しむことはない。僕が去ったら君は僕の記憶なんかなくしているのだから」
「いや、ぼくはきみのことをわすれない」
「そういうわけにはいかないんだ。君は僕のことを絶対
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