呼吸/
山中 烏流
私は
鳴ることは出来ない、と
知って
泣き声をあげようとも
何も、変わりはせずに
全てを知って
朝靄に隠されたままの
乳白色の意識は
朝靄に守られて
呼吸を再開していく
透明と不透明が
限り無く澄みきっているのを
呼吸をした私に
また、確認する術など
ある筈もなく
空気が鳴る
水が鳴っている
空が鳴いている
私は、泣いている
世界に混ざりきれずに
呼吸を
呼吸を。
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