きょうふ。/箱犬
ぼくがね。
描いた世界は宙を舞って黄金色に輝いたんだ。
まけ まけ まけといっぱいにさ
手にした器からは水がこぼれたものさ。
有限なものを無限と言う矛盾が
僕の思想と論理をはばかろうとする
ぼくはいま いきているのでしょうか
ぼくがね。
ね。
溢れて止まらないと思っていた泉がさ
いつの間にか水はこんこんと湧き立つのを止めて
しずかに しずかに 空が写って
まあ まあ まあ大丈夫だろうと使い続けて
いつの間にか泉は 底が見えるまでになって ね。
ぼくはどうしようか
ぼくはどうしただろうか
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