石少義女末 -snuggly might- 〜溜池山王駅前外伝〜/人間
だった僕は激しく泣いて
砂を噛むような音で崩れた背中を西日が焼いて温かかった)
<天井から盲の蛇蝎が垂れ下がり 腐敗した池と鬱血した山を吐いた
手は暗い風になり 涙は苦い川になり 慈悲が霧雨になって降った
あらゆる敗北は無差別に混ざりながら 深みに向かって流されていった>
(結局、僕は妹を愛していたのに何も出来なかったまま)
「本日は誠にありがとうございました。」
砂がどこまで砕けても無くならないように
記憶はより速く流れ 命はより深みに埋もれ
人は一生をかけて砂漠と深海の惑星を作る
そして最後は心地良い重力だけが目を見開いている
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