小さな恋のメロディ ‐エピローグ‐/村木正成
 
夕焼けの沈む地平の彼方に
メロディと君は消えていった
僕が煙草の火を消せば
目の前に枯野が拡がる
君にも見せてあげたかった
メロディと君は
やがて海の見える丘に
小さな家をたてて住むだろう
僕はそう思えてしかたがないよ
海はメロディと君にとって
思い出として残っているから
薔薇の花に五月の雨が
降りそそいだ後の
きらきら光る雫のように
僕はいまでも線路の上を歩くと
メロディと君の笑い声が
聞こえるんだ
僕はそう思いたいんだ
どうか
笑っていてくれ

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