さよならララバイ/ロリータ℃。
あなたとならできる筈さ
べたべたした手が 指が 唇が
あなたの頬を優しく撫でる
そのまま引っ掻いてつねって
噛み付いて
消えない痕を残して
芸術のような赤を
私も手首を裂くから
混ぜ合わせて
二人で
本当の家族になって
そうしてずっと 逃げようよ
逃げれる筈もないことを
気付かないよう必死で生きて
死が二人を分つまで
私と逃げて
そしてこの塩辛い、赤い水に
燃えるような太陽に
溶け込んで
その潤んだ目を
私が守りたかった目を
伏せて
繋がった血を
私の手を
溶け込ませて
そのとき安らかになれたら
幸福のかけらを
掴めるような気がするよ
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