透けえぬ光/
朝原 凪人
幼き日
草むらに寝転がり
背中に土の感触ひんやりと
地球を背負い
太陽に翳した小さな手
肉と血を朱く透かしながら
太陽は皮膚の中に溶け込み
僕の顔を赤く染めた
時を重ね
道路に寝転がり
背中に焼けたアスファルトの感触ただ熱く
背負うものを見失い
太陽に翳した大きな手
皮膚も血も肉も何かを隠すように
太陽を固く拒絶して
僕の顔に黒い影を落とすだけ
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