白黒/10010
 
ぼくらはいつか飢えてしまうから、手紙でも交わそう。
どちらが白ヤギでどちらが黒ヤギなのか、はっきりさせようじゃないか。
『きみが白ヤギだ』
『きみが黒ヤギだ』
でもぼくらは読まずにたべてしまうから
(それでもまだきみをたべそうだ)
相手がどちらなのか解らない。
自分がどちらなのかも解らない。
どちらなのか解らない限り
ぼくはきみで、きみはぼく。
ぼくはきみを読まないよ
きみはぼくを読まないよ
或るいはバフォメットの脳髄で水蒸気をあげながら回転する夢。
戻る   Point(2)