一人鬼ごっこ/ぽえむ君
ふと車を走らせて
海の見える道路で
車を停車させる
ある晴れた休日の昼下がり
静かに広がる風景よりも
近くにこんなところもあるのかと
そんな発見の方が新しい
風は冷たく強かった
遠くで船が横切っている
何の船なのか
どこから来てどこへ向かうのか
そんなことはどうでもいい
目的だけの生活から逃げてきたのだ
潮の匂いの中にいる
今は逃げ切れた場所にいる
現実の自分にざまあみろ
と言わんばかりでいる
同時にまた現実に捕まって
そこから今度はどんな方法で
逃げてみようかと思える自分もいる
車に戻り
タバコを一本吸ってから
今まで走ってきた道を戻っていった
風は海から吹いている
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