旅の末/小川 葉
けるだけの
延々と 果てしなく
続く旅
星が 生まれ
星が 成長し
星が 生きて
星が 死ぬ
数えきれないほどの
星たちの宿命
自分も そのように
消えていくだけの
さびしい わびしい
存在である
だから せめて
故郷に 帰りたい
だから せめて
故郷で 死にたい
それさえ 叶わぬ 夢である
夢が 夢を 失ってしまった
皮肉である
などと 嘆いているのだが
じつは しかし 知らぬ間に
宇宙を ちょうど 一周して
地球に 戻ったことに
気づきもせずに
ほら
たった今
あそこに ひとすじ
燃え尽きるように
真っ赤に 光った
流れ星が
そいつさ
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