言葉がほしいだけ/ロカニクス
*
未来で過去が来るのを待ってる地球と空の色がそっくりな星は
言葉がどこへいってしまったのかずっと考えている
誰かが連れ去ってしまったんだ
存在よりも強くて、強さよりも不確かな奴が
この夜空のどこかで笑ってるんだ
言葉は泣いているんだろうか
それとも腕組んで笑っているんだろうか
他の星が一斉に言葉の無い絵本を読み出した
*
だから言葉は本当はどこにもいないんだ
今血を吐いてでも並べようとしているのは
言葉の忘れ物に過ぎない
毎日毎日必死で目立つ場所に置こうとしているのは
言葉が気付いてくれるのを待ってるだけなんだ
戻ってこれなくてもいいからせめて気付いて欲しい
*
だからずっと言葉がほしいだけだった
僕からでも君からでも構わない
言葉があったらもう真理なんていらない
言葉があったらもうそれが全てなのに
全然どこにあるのか分からないもんだから
みんながみんな忘れ物を増やしていってる
もしかして、どこにじゃなくて、いつあるのか、かもしれない
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