描くこと、書くこと、カクコト/はらだまさる
 

 僕にとってペンや筆をとって「描く」ということは、何かしら後ろめたい感じを引き摺っていて、どこか淫靡な行為のような気さえする。
 それは、白紙に描きつけるものが文字であっても絵であっても変わりはなく、人目に触れてはいけないような赤裸々なものだと云う以前に、肉慾的に処女を冒すような破壊的な感覚に近いのではないかと思われる。
 「描く」と云うのを、ある種の低俗的で野蛮な行為に喩えるのは少し凡庸過ぎるかな。まぁ、あくまで男性的な発想でしかないのかも知れへんけど、女性の方がより具体的なイメージを掴みやすい喩えであるようにも思う。
 僕が鉛筆を握ってその木の柔らかな軽さを指先で感じるとき、異質なも
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