無垢/
零椅
当てもなく靄を見つめ
少女は息を吸う
僕は沈黙を続けることしか許されない
取り巻く空気は新鮮すぎて
圧倒的な違いを要求された
それでも
僕は
少女とともにすることを決めた
気まぐれな猫のような
そんな小さい背中に
何を背負おうとしているのだろう
奔放に進む彼女が笑ってくれることだけを祈って
僕はゆっくりと朝焼けを見届けた
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