霧の朝、森に帰る/LEO
 
風が、やんだ

鳥の声を探して
下草に濡れたのは
迷い込んだ足と
慰めの小さな青い花

遠ざかっていた場所へ
私を誘う手は
湿っていて
それでいて
優しいから
触れたところから
私もまた湿っていく
やわらかくて
あたたかくて
懐かしい場所

尖端に
しずくを握って
ひらいた木の芽
葉っぱの匂い
手と足の匂い
私がまだ小さかった頃と
おんなじ、うぶ毛の匂い

木も
草も
花も
みんなひとつに
包まれたその中で
目を閉じて

カッコウの声が聞こえる
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