日付変更線/山中 烏流
 
瞳の奥で揺れる
至極、あやふやな
日付変更線を
 
片足ずつで跨いで
 
昨日と明日の間
本当の、本物の今日で
息をする
世界を知る
 
 
でも
 
ここには
日付なんて無くて
 
今日は今日であり
月日で表せるものでは
無いことも
知る
 
 
身体の中心から
零れ落ちたリズムが
地球を一周して
背中を突き抜けてゆく
 
とくん、とくん
流れ出すリズムは
世界を包み込んで
また、誰かを包みだす
 
 
ここには
時間なんて
無いの、だから
 
ここは
そことは違う
世界、なんだよ
 
 
(とくん/ゆらり)
 
 
揺らぐ世界の先には
真っ直ぐな
地平線しか見えていない
 
瞳の奥で揺れる
揺れている
至極、あやふやな
日付変更線を
 
抱く、
 
 
(とくん/とくん)
 
 
ここは
(揺らぐ)
日付変更線
 
時間なんて無い、
違う世界
 
 
ここは
(あやふやな)
日付変更線
 
全てが始まる、
終わりなき世界
戻る   Point(6)