山翡翠/はらだまさる
八十円切手を
丁寧に千切りながら、考えていた
軽四輪だったかどうだか
切断された偉そうな記憶だけが
粗大ゴミみたいに
音、
みいいんって
ああ、またかまただ
レンズの欠けた眼鏡を二年もかけてると
偶に風景の端っこが
溶ける
少し
はいいろに、はいいろに
いろは に
唾つけてこすると
もっと溶ける
案外
世界ってやわらかい
鳴いてる、
鳴いてるのは雲雀だっけ?
ツバメの鳴き声なんか知らない
山肌に生茂るシダしだ
シダ植物はふらくたるで
眩暈 がする
すぐに鳥に
なろうろうとする、鳥はは
知らない、知
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