流星/さき
 
今夜
あの曲がり角の向こうには
たくさん星が落ちていた
親切な人が手を引くから
もつれそうになる足を
必死に動かして
自転車や空き缶
硬いゴミが浮かぶ
汚れた川の隣
破れたフェンスの向こう側を
走った



世界が終わったに違いない
そう思った
通りかかった
割れた窓ガラスの中には
醜い老人が二人
黄ばんだ歯と
穴の開いた歯の間から
そうだろうと笑っていた
彼らは逃げることすら
馬鹿だと笑い
泣いていた



さて
あたしは何をしてきたのだろう
あの日
たった一つのものを失い
破れかぶれで
夜の街を歩いていた
何でも良いし
死ん
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