楽園/今田コボ
 


少し遠くの楽園から
手招きしている人がいる
とうめいの雪が
小さく呟きながら
わたしに降りそそいでくるのが
とても心地よくて

夏の雪
月の白さに隠れて
楽園を照らす
わたしを呼んでいる
どこか懐かしい女の人
強くなる風が
わたしの足を押す


女の人の手をとる
繋がったわたしたち
薄暗い楽園の
ほんの小さな光
音の無くなった雪が
朝になっても、


降り続けていた
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