島 きょうかいせん/水町綜助
 
ここに
銀色のエンジンがあればそれと

あと太陽の動きのような一時間半があれば

ぐるりを周りきれるほどのちいさな島
四方からの潮風にさらされ続けていて

そこで何本もの縄を編んではほどいたりしている

荒縄はどれもざらざらと毛羽だっていて
つよく握るとちくちくと
新鮮な痛みで背筋が粟立つが

この縄は港に停泊した船を

結わえておくものなのか

どうか

きらきらしながらも消波ブロックを
すこしづつ削ってゆく
波頭を
そのしろくひまつの
あがるその先端を
みながら考えている
ひとつぶひとつぶ
見ようとするが
追いきれるわけもなく
肝心なこ
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