その夢は終着駅から始まる/ぽえむ君
その夢は終着駅から始まる
分厚い切符を駅員に渡し
改札を出ると
そこから終わりのない物語の
第一章がある
駅前広場から
右の道を上れば山があり
左の道を下れば海に着く
今は左の道に菜の花が咲いている
海を見よう
進み始めからもう海が見える
港には漁を終えた船が
きちんと整列して待っている
潮の風がだんだん濃くなって
つい船着場の先端まで来ている
これ以上は進めない
海を覗けば
小さな魚たちがぐるぐる回り
沖へと向かっていった
魚と一緒に
夢はそこからも続いてゆく
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