白の世界/今田コボ
 

遠いところへ行く
だれもいない所へ
わたしという存在を
消すために

紫がかった夕暮れ
落ちていく太陽を
目で追う
暗闇が訪れた時
わたしは、無に帰る


砂の混ざった荒れた風に
包まれる
いちめんに咲いた
水仙が
わたしを迎えいれる
歩めば
死が近づく
とてもはかない場所
息をするのも忘れて
真っ白な世界に
夢中になって
まぶたをとじた
戻る   Point(7)