白の世界/
今田コボ
遠いところへ行く
だれもいない所へ
わたしという存在を
消すために
紫がかった夕暮れ
落ちていく太陽を
目で追う
暗闇が訪れた時
わたしは、無に帰る
砂の混ざった荒れた風に
包まれる
いちめんに咲いた
水仙が
わたしを迎えいれる
歩めば
死が近づく
とてもはかない場所
息をするのも忘れて
真っ白な世界に
夢中になって
まぶたをとじた
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