ライトブルー/チグトセ
遠くの雲が寄ってくる
僕はそいつに親しみを覚える
心の中の気まぐれな破天荒は
あの雲のように
高くなったり
低くなったり
見えなくなったり
目を細め、濃淡の薄まった視界の中で
そのちぎれ雲をなぞって一周する
そうして空に一箇所だけ
宇宙の黄色い淵まで通じる
素敵な穴を開けてやったのだ
隣で
車輪が
浅い水際に浸かって
ぷちゃぷちゃと
波を返す
僕は頭を海へ浸し
香ばしい潮を聴き
ソーラーエネルギーにあたためられる
つま先が
恋しげに水平線を指さし
体は底流の余韻にときどき
揺れる
防水加工を施してあるのか
砂と薄い水色に埋も
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