夜の底/村木正成
 
夜風が強くて
ガラス戸が揺れる
冬の断末魔のように
ガラス戸が揺れる
蠅が一匹手を擦り
未来の行方を見つめてる

ビー玉が溢れんばかりの
夜の底
何も語らぬ
夜の底

カラスたちが
教会のうえに集まり
誰をさらうか相談し
街から子供がいなくなる

ガラクタが蛮声あげる
夜の底
何も語らぬ
夜の底

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