偶成オムニバス/
零椅
空から見下ろされている
雲が駆け足で過ぎ去った
*
退屈な言葉は
左から右へと通過する
*
時計の針が動く瞬間
ひっそりと笑みを浮かべた
*
裏切られた気分は空に伝染
猫の声とのハーモニー
*
窓に映る姿を見るだけ
寝過ごしてくれないかな
*
送り主が空欄の宅配便
ハンコを押さずに消え去った
土から生える手と握手して
こみ上げる冷たさを取り込んでいく
あ、爪がきれいだ
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