エンターテナー/影山影司
 
いう、作品を見るための心構えというか、準備というか、そういうものが読書には何より必要な気がする。楽しむための何か、っていうのかな。

 以前人から聞いたんだけど、ある芸術家は自分の作品を山のてっぺんに設置するんだと。で、観客はそれを見るために山道を何時間も歩かされる。また別の作品では、プールの中に沈めるんだとさ。観客は、作品を見るためにプールの中に潜らなくてはいけない。そういう手順のことを「エンター」と言うんだってよォ。
 ただ作品を見るのではなく、心を「鑑賞用」に切り替えさせるんだな。それが有効に機能するかどうかはともかく、面白い考えたし僕はそれに賛同する。

 本、特に文藝ってのは特にエンターが重要だと思う。(この場合のエンターは、事前作業に限らないが)想像力をフルに使うからね。理解力だっている。集中が重要な娯楽なのだ。エンターしてるかい? 皆様方。僕は、一応本蒐集も趣味の内だから色々エンターしてるぜ。勿論、暇つぶしにだらだら読むこともあるけどね。
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