窓際にて雨は降り走る君/鯨 勇魚
 
ている

  それは
  海の見える窓際に立つ君の涙を
  ツーっと流し岐路
  気持ちだけが
  過去から現在までを
  駆け抜ける耳鳴り
  一定音域に混ざる海鳴り

  君の塩分濃度で寂しく
  遠く近く浅瀬は続くから
  走りだしたあたし
  旅立つ者より
  待つ者のつらさを知る

  ちからいっぱい
  のばした君のてが
  君の心がとどいて

  こんな時だから待つよ
  
  君が見せる
  笑顔がみたいんだ


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