人称代名詞(中断中)/A-29
 
少し事情が違っていただろう。)

 だから「高校教師」の主題歌として森田童子の『ぼくたちの失敗』という曲が耳に届きだした時、なんとも嫌な気がした。今にも消え入りそうな弱々しい女性の声で発せられる「ぼく」という一人称のやりきれないほどの脆弱さが疎ましくてならなかった。「死ねやさっさと。」みたいに感じていたな。

 また宇多田ヒカルがその歌の中で男のことを「君」「君」と歌いだしたときは、「なめんなクソおんな。」みたいに感じたもんです。

 なんにしても、80年以降、日本語の一人称、二人称に価値の変容がもたらされたのは間違いないようで、これは日本経済の変容と当然リンクするものだと思う。中断
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