七月、猫連れ。/
紅魚
でした。
さぁ、
星が出た。
あれがチュンセ童子
ポウセ童子はあっち。
遠くのお囃子は星渡りの銀の笛。
微かな祭りの喧騒が、
耳雨になって降り注ぐ。
ねぇ、猫。
きちゃったね。
こんな所まできちゃったね。
どうしてあんたのまなざしは
そんなに真っ直ぐなんだろう。
林檎飴はもうありません。
優しくなれる筈だったけれど、
林檎飴はもう、ありません。
隣のあの子ももういません。
こんちきちん。
こんちきちん。
全て七月の出来事です。
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