願/みもる
友よ
僕は時に背を押されて歩くのに
疲れたよ
身軽になるために
大事なものまで捨てて
登った山の頂上にあったものは山
週に一度の休日と
未来の何かにだまされ続けてゆく
母よ
あなたにもらったこの命
悲しいかなわずらわしくもある
それでも僕はこんな奴だから
「産まれたいか」「産まれたくないか」と聞かれたら
「じゃあとりあえず産まれたい」と言うだろう
でも僕の傷はもう唾をつけただけじゃ
治らないんだ
地球よ
もっと速く回ってくれないか
僕の目も回るほど
もう一度あの頃のように
右も左もわからないくらい
千鳥足で行進したいんだ
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