麗らかなきのふ/渦巻二三五
 
うららかに風のかすめる真昼間を透きとほる茎ゆらゆら歩む

いつぱいにひろげし指にうららなる光を溜めてさよなら少年

仰向けの蛹にうららなる日射し二度の誕生ゆるされてをり

うららかな日の暮れかかりさはさはと色とりもどす脳もて帰る

かがよへる水のうららや「死ぬなよ」と声かけられき十九のわれは

麗らかな一日髪をゆらしつつさらはれなかつた少女の背中





          
一九九九年四月一三日 現代詩フォーラム@@nifty

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