キス/A-29
ラブホのスキンは溜まってゆく一方で
年齢にともなう僕のパワーダウンを物語っていたわけだ
だけどそんなことは問題ではなかったね
二人とも熱心にキスを交わした
それこそが僕らの求めるものだった
いくとかいかないとかどっちでもいいのよ
お願いキスしてとろけちゃうから
はいなはいなまかせなさーい
羽田はお互いに辛すぎた
そのうちカシコク大森海岸で別れるようにしたもんね
四時をすぎると僕は森の小動物みたくこまめに物陰を探し始め君を笑わせた
がんばれがんばれ〜さがせさがせ〜
キスだキスだ〜
ううーん
ぶっちゅーっ
ラブホのスキンが溜まってる
リュックの中に
結構な数なんだ
戻る 編 削 Point(3)