街/狗の骨
 
変わっていく

そこにあったはずのものがなくて

なかったはずのものがあって

そんな世界に 眩暈を覚える

日に照らされた静かな森

街の外れにぽつんと一軒だけあった喫茶店

山々を視界から消す高層ビル

どこまで続いているのかわからない線路

みんな変わっていく

あの日の私は

今この街を見て何を思う?

哀愁に身を委ねて、おもいっきり泣くだろうか

それとも

なくなるはずの景色を胸に閉じ込め永遠とするのか

今の私にはそれはわからなかった
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