春は白浜の波の音がする/ぽえむ君
春は白浜の波の音がする
いろいろなことを思い
浮かんだと思えば波にさらわれ
刻んだと思えば波に消される
その度に波の音が聞こえてくる
ゆっくりと薄く
浜に広がる白い泡が
繰り返される
波は何も語らず
何もかもを黙らせてゆく
それはまさに春の夢
次から次へと夢を描いては
何度も何度も修正させられてゆく
小さな波の音を聞きながら
今まで見つけられなかった夢
今までとは違った新しい夢が
あることに気がつく
ふと自分の足元を見ると
その波が迫ってきている
春の音がよく聞こえる
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