くんれん(ことば)/たもつ
 
ぶつぶつ
ひとりごとをいいながら
ひとが
えきのかいだんをのぼっている

おそらく
なにかたいせつな
くんれんをしているのだろう
ことばをはっするたびに
すこしずつ
もれていくものがある

いちばんうえにつくと
ひとは
かいだんのないところを
のぼりはじめた
やっと
からっぽになったのだ

ほかのひとは
みてみぬふりをしている
もしくは
ほんとうにみていない
でんしゃをまちながら
じぶんのくんれんに
いそがしくしている


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