時の門番/ぽえむ君
 
どういうわけか
門の前にいた
平安調の赤い柱と白い壁
門の屋根の下には
「時の門」
と書かれていた
その重たそうな大きな扉の前に
甲冑を身にまとった
時の門番が立っていた
自分の存在に気がついて
こっちに近づいてくる
足音の一歩一歩が
地面を揺らすかのようだ
自分は何も動けない
声も出せない
門番は自分を睨めつけながら
「お前は『今』だな」
「ならばここに来る必要はない」
腰にかけた大刀を抜こうとしてた
自分の地面だけがなくなり
そのままどこかに落ちてゆくようだった
目を開けると
青い空の中に白い雲が流れていた
周りから人々の声がする
遊園地でうたた寝をしていた自分に
ようやく気がついた
ここに自分の家族とともに今がある
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