九月童話/紅魚
 
 
まずは、
背中の秋を追いかけて
レダの卵を採取しなくてはなりません。
(ゆめです。きづかれぬようにかくしてしまった、)

それは、此処からずっと北、
一つ長い橋を渡って弓なりに沿っていった先にありますから、
エノコログサのアンテナを
しっかりと立てておく。
(どじ、だからね、方向、見失わないように、だよ、)

左手はいつも海だから、
少し潮でべたつく風の道、
わざと押されるみたいに歩きます。
そのままぐらりと跳べれば好い。
長い髪がざわざわするので、
とたんとたんとステップ踏むあたしは、
きっと一心不乱のおばけみたいに見えます。

海面を跳ねるたく
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