春。/鯨 勇魚
 


かぜ。が、
なみ。を、

いちばん。
(ちいさくしたから)

しんとう。
(するようなやさしさで)

つつまれ。
(きょうめいするのは)

はる。が、
(うまれたから)

果実と
百合の
馨りが
甘く
混ざり合う
その空間は
ヴィオラの
曇れ日から
さしこんだ
光りの
幅であり
二分の一の
片割れに
期限は
柑橘色の
夕日と
お互い
知らないふりを
していました

おちるまでが
春と心が知るなら
泣きじゃくる
雨降りあめふり
飴 ならいいのだけれど

僕が見つめた世界
海鳴りのコンフィチュール

ペリエ
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