チャーリー/たにがわR
 

 「チャンスはいつも平等に」

 急行の止まらない駅でチャーリーはいつもつぶやく
 いくつもの携帯電話の着信音が鳴り響く遺失物届所には、
 いつまでも使われない傘と
 これからも役に立たない案内人が座っている
 
 降りる人が居ない駅でも
 忘れ物はやっぱり存在して
 一つのダッシュで電車に乗れても乗れなくても
 次の電車はやってくる
 
 それは人生の何かを暗示しているようで
 新聞の片隅にある一行しかない占いのようでもある
 
 けれど電車を止めるのには
 自分の身を投げ出さなくてもいいんだよ

 な、チャーリー


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